カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

ポストコロナを見据えて。不動産、商業地、不動産バブル、入居付けなどの話。

2021.09.23

このところ、そろそろという感じで、ホテルの取得に向けて動いている話が聞こえてくるようになりました。

コロナウィルス、爆発的な感染増から転じて減少に向かうとともに、ワクチン接種も進み、気分的にもポストコロナが待ち遠しくなってきた頃でしょう。

 

売りたくても売れずで塩漬け状態だったホテル物件。もちろん立地や価格、物件によりますが、じわじわ動き始めるような気がしています。

コロナ禍で様変わりした、商業地のビルの状況については、回復にはもうしばらく時間がかかような感じを持っています。

コロナウィルスの影響により、(2021年1月公示地価、7月基準地価)銀座の地価が下がりました。「銀座」は象徴的です。

象徴的な銀座や歌舞伎町などの繁華街の商業地は、大きなダメージを受けたことが推測できます。

店舗ビルの空室が目立ち、オフィスの移転(たとえば、大きなオフィスから小さなオフィスへ)等の情報などからも、人が集まる商業地にコロナウィルスは強く影響を及ぼしたことがわかります。

住宅地(居住用物件)は商業地ほど波は激しくなかったようですが、本来、居住用物件というのは固い物件であるとみなされています。商売に使われている商業地(店舗ビル等)は、パンデミックに揺れ動きましたが、居住用物件は比べるとですが、落ち着いていたように思われます。

 

ただし、地方の単身者向けアパートなどでは退去が続き、せっかく、努力の甲斐あり入居者が埋まってきていたのが、振出に戻ったような話も聞きました。

東京でもワンルームなど単身者向けの物件で空室が増えてきた印象はありましたが、こうした時こそ、底力のある物件は空室とならず、物件が少し弱い感じがあったり、難しいところがあったりすると、空室が出やすいように感じました。物件が弱いからだけではなく、物件は弱くはないけど立地によって、ということもありますが、空室が出る物件と出にくい物件というのは、やはりあるものだ、と思います。

すでに観光地や繁華街に多少賑わいが戻り、緊急事態宣言が今月末に全面解除となれば、ポストコロナに向けて人々は動き出すのではないでしょうか。

コロナ禍、傷を負った企業や個人は大勢であり、立ち直れるところがある一方、建て直しが困難なところもあると思います。

中国でスケールの大きな不動産会社が破綻の危機、これに端を発する不動産バブル崩壊が懸念されています。

日本において昭和の終わりから平成の初めにかけて起こった不動産バブルの崩壊。それらと似た状況となるのかどうか、全世界が注視しているようです。

 

日本でもコロナ禍においても立地や物件によりますが、価格が上がり、とくに中古マンションなどは高騰を続けました。これをバブルと見るのかどうか意見は分かれるところかもしれません。

世界的に見れば、日本の不動産、中古マンションなどにも、値上がりが続いているとしても投資する魅力はまだあるという考え方があるようです。たしかに、日本、その中で、たとえば東京などは、今後も投資する価値が十分あると計算し、海外の投資家の資金は入ってくるような気がします。

実需でも投資でも、借入金利が低く、物件取得にお得感がある間はバブルと言えどもすぐには弾けず、バブルであったとして、ではいつ弾けるのか、という問いは禅問答のようなものかもしれません。

バブルの時にバブルだと気づいた人が守りに入れば、そもそもバブルにならないか、あるいはバブルが弾けるのはその時かもしれませんが、人間は慣れてしまうものですので、環境の変化などには案外無頓着になっているものでしょう。

買いたいとしても現実的に手が届かない買えない価格まで上昇してしまった時、心理的に、手に入れることを諦める人が増えてくるとすれば、需要の減少となり、状況が変わってくる。そういう流れは、一般的にあることでしょうが、諦める人と、それでも手頃だと判断して買いに入る人や投資家等とのバランスが、どこでどうなるのか、が気になるところです。

日本では、土地、不動産に価値があるという意識は依然強いと思います。投資対象として個人でも参入できるような小ぶりなもので次の買い手も付きやすいものであれば、下がっても大きな下落はないような気がしますが、個人が持っているもので次の買い手が付きづらいものや、大き目の一棟収益物件などは、動きが遅い気がします。

立地の良い物件で、需要があるものは、ホテルでも商業ビルや一棟収益物件でも、次の展開に入りつつあるように感じられますが、不動産の二極化の流れの中で動きづらいと判断されている物は、ポストコロナの時期がきても変わらず動きがわるい状況が残るように思います。

日本の人口は減少します。コロナ禍では密を避ける必要がありましたが、人々が集まって住むことで効率を高めて経費を削減しながら、工夫しながら維持や成長と発展を模索する時代にすでに入っているとすれば、「密」が不動産価格を決めていく側面は軽視できないと思います。

おおむね飲食店も密集しているところにお客様はきます。レジャーホテルもそうです。一般的に商業地の地価が高い(住宅地より)のは、商売によって高い家賃で借りても儲けが出るからです。安い家賃だと他の店に出店されて、自分では営業ができないので、営業したければ高くても借りるほかありません。店舗家賃などは需要に応じて、いい場所ほど高くなっています。そのため、物件価格(売買)も高くなり、高くても売買が成立する、となるわけです。

コロナウィルスの影響により、商業地はダメージを受けましたが、収束すればお客様が戻ってくる場所は復活することでしょう。そこまで耐えられるかどうかの大きな試練が続いていました。

居住用物件の入居が決まらず長引いている方もおられると思いますが、供給過多で需要が減少している状態にある場合は、家賃を下げて入居を促進するか、募集家賃で入居者が現れるのを気長に待つかの選択を考慮することになります。

どちらがいいかは一概には言えません。投資用物件で売るつもりがある場合は、利回りに影響するため家賃を下げることは売買価格へ影響が出るとして二の足を踏む場合もあるでしょう。

時期にもよりますが、立地や物件によっては、多少家賃を下げてもあまり効果が出ない場合もあります。

居住用で投資する場合は、入居付けがしやすいかどうかは、とても重要だと私は考えています。

一つ言えるのは、入居付けがしやすい物件は、何なら状況次第では自分が住んでもいいとひとまず思えるような物件です。もちろんそうとは限りませんが、とくに労力や時間をかけないで、賃貸経営をされたいとお考えの方は、自分は住みたくないと思うような物件は避けて、普通に考えて、人がここなら誰か入るだろうとイメージできる物件を中心に物件を探されるのがいいのではないでしょうか。

 

今日は、祝日(秋分の日)でお休みですが、いつも通り、私はコロナを恐れてステイホームです。

休みの日も、散歩するくらいの日常が継続しています。

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美