カズシン・ブログ

不動産業界20年を越えて この経験に基づく~物件論

戸建賃貸、買取転売、仲介業者

2020.07.24

しばらく一時貸しにしていた中古戸建(東京)をリフォームし、普通賃貸借で貸し出すことにしました。

賃貸募集してほどなくして賃借人が付きましたが、その後、世間中一杯にコロナウィルスの問題が沸き上がりました。

今も変わりなくお住まいいただけておりますが、仮に、コロナウィルスの問題が一気に表面化し混乱し始めた時期に賃貸募集をしていたとしたら、入居付けに違いがあったのでしょうか。

 

こちらの物件はファミリー向けの賃貸に該当するため、一般的に4月に入ると大きく需要が減ります。したがって、早期に手をあげていただけたお客様との間で2月に契約しました。実際のご入居は3月中旬からでした。

 

仮にコロナウィルスの恐怖がもう少し早い時期に蔓延していたとしたら、引っ越しをされなかったかも、と思うと。

(コロナウィルスに関係なく、実際は引っ越しされたのかもしれませんが。)

コロナウィルスの影響が考えられたかもしれません。

 

そうなると家賃が入ってきませんので、リフォーム代の回収も先延ばしとなり、じわじわと効いてくる気苦労も始まったことでしょう。

一時貸し(建て替えの方限定)の場合は、入居者が出ても直さず、次の方に貸せたのでリフォーム費用がかかりませんでした。

 

いろいろ考えて、今回、思い切ってリフォームをしました。

少しの時期の差で、状況は変わっていたかもしれないと思われます。

 

何事にもタイミングの良い、タイミングのわるい(合わない)ということがあるのでしょう。

 

不動産の取引は、「タイミング」がとても重要だと思います。

売る方が決断するタイミング、買う方が自制するタイミング。

売主にとっては少し安いくらいに思える価格が買主にとっては少し高く感じる価格になる場合が多いと感じます。

しかし、それ以上高い価格で買う買主も滅多に出てこないものですし、希望価格で同じような物件に巡り合えるというわけでもありません。

いずれもが少し譲ったところが適正価格のような気がします。譲らせ過ぎでもなく、譲り過ぎでもない。

自分にだけ都合良く、相手だけ損をするようなことではなく。お互いの落としどころが大切でしょう。

 

賃貸の賃料(賃貸の場合は募集賃料が高い時)も売買の価格も、双方が歩み寄りで落ち着くところがあります。

 

リーマンショックの時、買取転売業者の在庫が当初の想定価格で売れなくなり、かなり値下げして処理せざるを得なくなりました。

買取転売業者は、仕入れの際に仲介業者に仲介手数料、登記費用、融資手数料等諸々経費をかけて物件を取得します。

(仲介業者を間に入れずに、直接売主から物件を買って、直接買主に物件を売る業者やケースもありますが。)

リフォーム費用をかけて、売る時にまた仲介業者に仲介手数料を支払って、銀行に元金を一括で返済します。

 

実際の手残りの利益は、諸々経費を差し引いた後の数字となります。

したがって、価格帯が小さい場合は、それほど利益を得るのも難しく、トントンの少し上くらいであれば良しと考えます。

買取転売業者が徐々に大きな物件に気持ちが向いていくのは、手間はそれほど変わらないのに手残り利益が大きくとれるからです。

 

しかし、そうなった頃、リーマンショックのように大きな市場の変化が押し寄せ、在庫が動かなくなると、金融機関の返済日が迫り否応なく、値段を下げて売却することに。

買取転売業者は安く仕入れて利益が出るよう高く売らなければ商売になりません。

リーマンショックによって影響を受けた物件価格は、一般の方が買った市場で見ると、全部が全部大幅な値下げというほどでもなかったのではないかと思われますが、買取転売業者にしてみれば、いろいろ経費も考えると、およそ赤字での売却となりました。

 

一般の方が不動産投資する際には、長期融資が付きますが、買取転売業者は短期で返済しなくてはなりません。

保有して毎月少しずつでも収益をとっていくというやり方ではなく、早々に売却のサイクルを回していきます。

 

買取転売は市況の影響を受けやすいので、長続きできる業者さんは案外少ないように思われます。

それでも、ビジネスとして見れば、わかりやすいです。

仕入れがあって、販売。それで利益があがる、ということですから。

 

不動産仲介は、金銭を支出して物件を購入するわけでもなく、買取転売とは様子が異なります。

売主が「売る」と言い、買主が「買う」と言うところをまとめていくのが仕事です。

成約報酬ですので、それまでどれほど苦労をして、長くその物件(案件)に関わっていたとしても、まとまらなければ、まとめられなければ、報酬はありません。

 

買取転売業者が「仕入れた物件がこのまま売れなかったらどうしよう」と夜眠れなくなる時、仲介業者は「この物件がこのまま決まらなかったら(成約しなかったら)どうしよう」と頭を痛めます。

 

いずれも、だからこそ、知恵を絞るようになるのでしょう。

買取業者は、良い情報を持ってきてくれる仲介業者や腕の良い良心的なリフォーム業者によってたすけられ、仲介業者は、最終的には「売って」「買って」いただける売主様、買主様のおかげでやっていけるわけです。

 

買取業者は物件に融資してくれる金融機関にもたすけられます。仲介業者も、買主に融資が付かなければ進展しないことが多く、金融機関が付いている買主や金融機関に融資してもらえる物件にたすけられます。

 

いずれの商売も、いろいろな方や関係でたすけられているのでしょう。

皆さんの商売やお仕事もそうでしょうか。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美