カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

レジャーホテル(ラブホテル)投資について

2018.02.05

今から約5年前、10年間くらい、レジャーホテル(いわゆるラブホテル、ファッションホテル、カップルズホテル)の経営・運営会社、コンサル会社で、主に物件のコンサルティングをしていました。

所属した会社のホテル物件担当者として、そこで購入するホテル投資物件の選定の他、投資家からのご相談があった場合は助言したり、価格の査定をするなど、いろいろ経験させていただきました。

ホテル物件の仲介なども含めて、物件のことなら一通りやりました。その他、運営面でのコンサルティングもやっていましたので、改装や、売上アップなども幅広く関わっていました。

10年間このようなことで関わったうち、後半の約5年間、関連会社(ホテルコンサルティング会社・不動産コンサルティング会社)を設立し、代表に就任しました。その時は、その会社でホテル物件を1つですが購入し所有もしました。ホテルとしては大きな物件ではなかったですが、それでも20ルーム以上ありましたので、経営面においても学ぶことができました。

その後、不動産業を開業(上記コンサル会社は関連会社(親会社)の代表が引継ぎました。私は辞任し、関与はありません)。不動産業者となったといっても一人起業でしたから、フリーランスのように、気ままに動いていました。

話としては、それまでの流れから、やはりレジャーホテル物件の売買のご相談の割合が多かったです。

平成25年に不動産業を開業し、ここまで約5年間、仲介に専念して、物件を売主様から買主様へ橋渡ししてまいりました。

レジャーホテル以外の物件の仲介(土地、中古の区分マンションなど)も依頼があればやっていました。したがって、成約の全部がレジャーホテル物件というわけではないですが、売上の割合から言えば、ホテル物件が大きかったです。一棟、おおむね数億円の物件の仲介ですので、両手で決まれば、しばらく少しゆっくりできそうなくらいの収入になります。

とはいえ、けっこうハードな仲介となります。「売主様は高く売りたい」、「買主様は高くは買えない」。この間を取り持つのが仲介の役目の大きな部分となりますが、神経使います。

他の収益物件の売買でも、同じような面はありますが、とくに営業物件であるレジャーホテルのような物件の場合、日銭が入ってきますので、売る方も安くは売りたくない気持ちが特別強くなります。

何度もくじけそうな気持ちになるところ、自分自身も強くあり続け、あきらめずに、成約の日を迎える。その時の成約は、奇跡のような(成約)!と感じるものです。

買付が入っても成約までいかないこともあります。まとまる、まとめるというのは、有り難いことだということを否応なく、経験させられます。

最終的には、売主買主の価格の合意となるわけですが、長くて険しい道を一人で歩くのが、ラブホテル物件の仲介現場だと思っています。

投資としてはどうなのかと言えば、売主様が強く出るだけのことはあり、持てば日銭が入り苦労してでも買って良かったという物件であることは少なくないと思います。だからホテル経営の同業のプロが買いにきたり、百戦錬磨の投資家が参入したり、不動産業者が買いに入ったりするわけです。

とはいえ、手に入れるまで大変であったホテルの全部が買いさえすれば、楽に儲かるわけではないです。改装投資をしたり、売上アップのための地道な努力をしたりして、手入れをして、経営を良くしていかなくてはならないケースが多いです。

初めてホテルを買おうとする投資家の方々は、ラブホテル経営のノウハウがないため、そのノウハウのところでつまづく場合があります。改装投資に費用をかけすぎたため、スタートで重くなりすぎて、多少の売上アップでは、返済にも窮することになってくる、など、「蛇の道は蛇」と言う通り、「餅は餅屋」の商売に、他業種から参入するのは、甘いものではないと思います。

一番取返しが付きづらいのは、物件の選定ミスです。物件の選定のミスには、主に立地のミスがあります。お客様がこなくなっている立地でいくらか安い値ごろな物件が出たからといって、マーケティングをしないで買ってしまったら、想像以上に苦労することになります。

それから購入価格のミスです。高く買ってもなんとかなるのは、やはり立地の良いところに限られると思います。立地が厳しいのに、割高に購入してしまい、さらに改装投資を重くしてしまうと、投資した分の回収が大変になります。誰しも高く買いたい投資家はいないわけですから、それでも買うということは「何とかなる」と思って買われるということでしょう。プロでも厳しい立地で、初めての方が何とかなるためには並々ならぬ覚悟と努力が必要だと思います。そのような厳しい事業にあえて着手してでも、やり切る方はゼロではないですが、ハードルは高いと考えておいた方が良さそうです。

今は、インバウンド向けにラブホテルをビジネスホテルに変更する試みが増えてきているようです。駅前型でないラブホテルの立地として、郊外型、インター付近型も多いです。それらを海外からの観光客向けに、ビジネスホテルのように変更することで売上をあげているホテルもあります。

少子高齢化が進み、ラブホテルを使うカップルなどが減っている傾向にあります。繁華街にある駅近のラブホテルなどはまだいいですが、若者が車を運転しなくなった今のような時代では、インター型などは苦戦しているホテルもあります。観光客が移動するにあたり、メリットのある立地であれば、インター型や郊外型を観光客向けに集客を変えると、中には再建できる例も出てきているようです。

ラブホテルは20室~30室くらいまでの規模のものが多いですが、中には、40室、50室くらいあるホテルもあります。50室はビジネスホテルとしては規模が小さいですが、レジャーホテル(ラブホテル)としては大きいです。

空室が目立つようになったラブホテルの運営を変えて、海外からの団体客で埋めていくなど、やり方はあるようです。

インター型や郊外型は、比較的広めのお部屋になっていることも多いため、ダブルベッドをやめて、シングルベッド2つなど、ツインベッドも入れられます。

ラブホテルと言っていますが、許認可で言えば風営法ではない旅館業だけのホテル(もともとビジネスホテルの許認可と同じ)も多いです。そうしたホテルは、ビジネスホテルと同じように、堂々と、カップル以外のビジネス利用や観光客に利用してもらえるホテルとなります。

そうは言っても元々がラブホテルであったとなると、それ以外のニーズに合致する立地や建物などには限りがあり、運営ノウハウも異なるところがありますので、なかなか難しい面もあるとは想像しますが、動向が気になる分野です。

 

このブログを読んでいただいている方の中で、ラブホテルをお売りになりたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ、弊社(カズシン株式会社)にお声かけください。

弊社の物件取扱いのエリアは、主に東京です。神奈川、埼玉、千葉ほか、その他のエリアについても、ご相談ください。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美