カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

スマートデイズシェアハウス 通帳改ざん 自己資金について

2018.04.04

13名のオーナー様(スマートデイズ社のシェアハウス)が、スマートデイズ社、建築会社、販売会社に対して提訴したそうです(2億円の損害賠償請求)。

通帳の改ざん(実際の残高とは異なる額に改ざんし、自己資金があるように見せかけた)などの証拠などもあるようです。

「自己資金がなくても大丈夫」ということで、「それなら」と購入の決断をされた半面、今となっては、「自己資金がなければ買えなかったものであれば、そもそも買えなかった方が良かった」というお気持ちになっていらっしゃるのではないでしょうか。

もし本当に自己資金をお持ちで、実際に、1000万円でも、2000万円でも、3000万円も、資金を入れるとなれば、もっと慎重に検討されて、結果的に購入を見送られることになった方も少なくないのではないかと思います。

ご自身のお金を使うとなると、「ああでもないこうでもない」「ほんとうに大丈夫だろうか」「万一このお金がなくなったとしたら」など、生々しい感じで、考えを巡らせることになるでしょう。しかし、ご自身の出費はないといったところで、『いい話』を持ちかけられると、なんとなく「大丈夫だろう」「わるいことが仮に起こったとしても対応可能な範囲だろう」「この話を逃したら、もうこんな『いい話』はないかもしれない」等、現実感薄く、楽観的に考えてしまいがちになるものではないでしょうか。

ご自身のお金を使うとなると、最悪を想定するところでも、それが要らないとなると、自分にとっていい方に考えがちになる。このように人間の心理は動くものではないでしょうか。

「通帳の改ざんさえなければ」買わなくて済んだオーナー様がいたとすれば、悔しいお気持ちはいかばかりでしょうか。

ところで、「詐欺」であるためには、「保証(絶対大丈夫!的な)」の証拠が必要になるのでしょうか。書面でそのようなものが残っていれば、可能性はあるのでしょうか。

「投資は自己責任」「投資にはリスクがある」ということが一般的である中で、まさに投資物件「アパート(シェアハウス)」のような収益物件への投資について、「詐欺」が適用されることがあるとしたら、証拠のもつ力というのは「すごい(絶大)」ものだと、あらためて気づかされるように思われます。

そして、どのようなひどい目にあったとしても、その証拠がなければ、ある意味、泣き寝入り的な状況に甘んじなくてはならないということも、あわせて気づかされます。

「泣き寝入りになるかもしれない」ということの自覚を持たれたうえで、収益物件を購入されることが大事だと思います。リスクの範囲を冷静に想定されたうえで、決断されることをおすすめします。

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美