カズシン・ブログ

カズシン株式会社 代表取締役 山内和美のブログ
不動産業界20年を超えて、この経験に基づく…取引のこと、物件のこと、人間のこと。
宅地建物取引業者(不動産業者)カズシンの代表 山内和美が思うこと。

ふつうの不動産業者です。

2018.03.06

もともと不動産会社に勤めていました。退職し、不動産業に特化していた、ある人材紹介会社(有料職業紹介)に求職の登録をしました。レジャーホテル(ラブホテル)のファンド投資、運営管理会社を紹介されました。もう、14年以上前、平成16年1月のことです。

それが、私にとってのレジャーホテル業界との出会いでした。紹介された会社は設立されたばかりでした。母体は不動産コンサルティング会社、そのグループ会社として設立されたものでした。

私は、設立間もないレジャーホテル運営会社初の社員となりました。

 

経緯とご縁あって、設立されたばかりのレジャーホテル運営会社での不動産担当として入社することになりました。

『ラブホテル不動産コンサルタント』になろう!ホテル不動産コンサルティングをできるようになろう、との思いが湧いてきたのです。

面接を受けた日、入社についての話が終わり雑談のようになった時に、社長に言われた「2~3年やれば、第一人者(だいいちにんしゃ)」という言葉を真に受けて、第一人者になろうと思いました。

なぜ、3年で第一人者に?この業界で、当時、私がしようとしていたこと(ラブホテル不動産コンサルタント)の取り組みをしている方は、ほとんどいなかったから、というのが理由でした。

分野がとてもニッチなところでした。

昔から、興味をもって始めたことは何でも一生懸命やってみるところがあるようです。日々知りたいことばかりで、あっという間に、同僚に『(ラブホ)オタク』と言われるところまでになりました。

全国のラブホテルの売り物を見て歩く中での経験などをもとに、本を出版しました。その本が『ラブホテル経営戦略』(週刊住宅新聞社発行)というものでした。すでに絶版になっていると思いますが、2009年(平成21年)の春、世に出ました。

出版された時は、日経新聞に広告が出ました。日経新聞で「ラブホテル」がタイトルに入っている本の広告が掲載されたのは初めてのことだと、出版社の担当の方からうかがいました。

池袋のジュンク堂書店に行ってみると、「ラブホテル経営戦略」の本の表紙(おもて)がこちらに向けられ、ずらっと並べられていました。恥ずかしいような思い、驚きました。また、ジュンク堂書店の書評で、この本が取り上げられ、過分にお褒めの言葉をいただけているのを読みました。とてもうれしかったです。

本を出版した少し前、所属していたレジャーホテル運営会社の関連会社としてコンサル会社を設立しました。

その区切りを思いつつ、執筆したものが、偶然、出版社の社長の目に留まることとなり、商業出版していただけたという流れがあります。

その本を出版した後、たくさんの方からお問い合わせや訪問を受けました。本の力というのは、たいへん大きいものだと実感しました。

中には、費用はすべてそちら持ちとなり、売れたら収入もいただけるということで、DVD(ラブホテル投資について)を制作し販売させてもらいたいと見えた会社さんもいらっしゃいました。

私自身は、本は自分の思考と覚悟で書くことなので責任ももてるが、DVDのような映像は、自分の範囲ではない気がしたので、お断りいたしました。

多くの方とお会いする中で、自分のイメージが一人歩きしているのではないかという感覚を持ちました。現実の自分は、ラブホテル(とくに物件)オタクのような、どちらかと言えば、疑問を解決していくことに夢中になりながら、興味に忠実に仕事を続けてきただけです。そしてその興味の延長で、レジャーホテル(ラブホテル)改装のコンサルをしたり、売上アップのアドバイスをしたりしてきました。いろいろなことに興味を持つ性格だからこそ、物件だけではなく、広く周辺の取り組みもおこないました。

そうしたことからか、なんだか、実力以上の「すごい」コンサルタントのような存在を期待されているのではないかと感じられる時がありました。

もともと不動産コンサルで生きていこうと思って、その意欲の中で、行き着いた仕事でした。

理由は1つではないですが、いろいろな中で、とにもかくにも自分は、不動産にもう一度立ち返り、その道をあらためて開拓していこうと思いました。そして、設立した会社が、「カズシン株式会社」です。

設立した当時、法人ではなく、個人で宅建業を取得しました。ほんとうに、なにもないところからのスタートでした。その数カ月後、ありがたいことに大口の仲介で目処が付きました。おかげ様で法人化した次第です。

今、この法人(カズシン株式会社)で設立から、5期目となります。

この年月を通して、一貫して「ふつうの」不動産業者として業務に励んでまいりました。

仲介メインでやってきておりますが、一般不動産投資顧問業(国土交通省)の登録もしています。

ホテル物件の仲介は、きわめて厳しい現場だと思います。それだけに、成約した時の安堵感や喜びというのはけた違いのところもあります。

もちろん、どのような仲介業務も厳しい面はあると思います。賃貸も売買も、ホテルも実需のマンションも、一戸建ても、収益ビルも、一棟アパート・マンションも、更地(土地)も。種類や規模ではなく、いずれも優劣などないと思っています。

それでもあえて言えば、レジャーホテル(ラブホテル)売買の成約は、交渉が厳しかった分、自分自身に「よくがんばりましたね」とほめてやりたい気持ちになることがあります。

価格も大きいため、動くお金も大きくて。その分、仲介人に期待され、成約に至るために果たさなくてはならない価格交渉の役割が、非常に重くなりがちです。

ところで、ひょっとして、「ラブホテル」? いろいろな想像が浮かんで、「もしかして?ちょっとコワイ?」というような疑問など、浮かんでいらっしゃる方がおられますでしょうか。

大丈夫です!私は、そういう意味では、ちっとも怖くないです。

そして業界の方(オーナー様たち)も、そういう意味で怖い方ということは私が関わる範囲においては基本的に無いというのが、足掛け15年この世界(業界)を見てきての私の感想です。

少なくとも、私は、安全な取引ができない方とは関わりを持つことはしません。

「不動産は怖い」(金額が大きく、人の欲が絡み付き、取引に神経を使います)。したがって、関わる相手、関わり方には、十分注意をしなくてはなりません。

弊社に関しても「ふつうの不動産屋」です。レジャーホテル物件も扱っていますが、実需向け(お住まい)の物件も扱っています。

ホテル色が強く出ていますが、「差別化するとすれば」これも1つ、ということです。

神田の小さな古い(貸主様へ「ごめんなさい」)事務所をお借りさせていただいて、細々と業務をおこなっている、ふつうの「不動産業者」です。

もし、それでも「やはり不安」という方がいらっしゃいましたら、どうぞ、お気軽に一度事務所へお立ち寄りいただきたくお願いいたします。(不在の時では申し訳ないので、事前にご連絡いただけますようお願いいたします。)

おそらく拍子抜けするほど、地味に、「ふつうに」やっています。

ご安心ください!

 

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美