カズシン・ブログ

不動産業界20年を越えて この経験に基づく~物件論

サラリーマン大家さん(個人投資家)

2018.07.09

スルガ銀行は、スマートデイズ(旧スマートライフ)の「かぼちゃの馬車」以外にも、個人投資家(サラリーマン)が収益物件を購入するにあたり取得費用を貸し付けていました。

スルガ銀行だけではなく、他行も、収益物件を買いたいサラリーマン(個人投資家)に融資付けをしておりましたが、不動産業界においては「サラリーマンの方」の不動産投資と言えば、まず最初に話に出てくるのが「スルガ銀行」というイメージがありました。

スルガ銀行の融資で収益物件(「かぼちゃの馬車」ではない)を購入したオーナー様が訴訟。「書類の改ざん」の責任をスルガ銀行に追求しているそうです。

このオーナー様から訴えられたのは、大阪市の不動産販売業者と勧誘業者、スルガ銀行等同行支店の融資担当者のようです。

融資資料の改ざん問題で、スルガ銀行に対して損害賠償を求める訴訟は初とみられるそうです。

なんと、8万円台だった預金残高が2000万円台に改ざんされていたとか。年収の資料改ざんもあったらしく、スルガ銀行が通帳原本(預金残高)の確認を怠り、融資時のリスク説明が不十分であったというのが原告側(オーナー様)の主張のようです。

これに対しスルガ銀行は、原告(オーナー様)は今回の融資物件とは別に複数の投資物件を保有し、「豊富な投資経験を有する」とし、改ざんは「(原告が)積極的に関与したか熟知していた」と主張。通帳の原本を確認しなかったのは認めたが、(原告が)スルガ銀行の責任を問うのは「詐欺師が被害者に対し詐欺に気づかないのが悪いと開き直るようなもの」などと痛烈に批判し、スルガ銀行は被害者との立場を強調したそうです。

(2018年7月2日 朝日新聞 DIGITAL からの抜粋)

この部分を読んで、事実はわかりませんが、複数投資物件の購入経験が既にあるのであれば、初めて言われるがままに投資物件を購入された(サラリーマンの)方とは知識や経験が違っているのではないだろうかというのが私の印象です。

スルガ銀行側が「詐欺師」という言葉を用いてまで主張しているのは、この「経験」についてのこと。

不動産業界に長くいると、「経験の有無」を非常に重視することになります。

当方の場合で言えば、基本的なスタンスとして、経験が無い方には投資物件を積極的にすすめたりしないこと。融資を受けるのもハードルがあるということもありますが、仮に融資が受けられるとしても、「経験がないと」あまりうまく物件をこなせないと思われるからです。

「物件を買われた後、素人の方が泣く事態となってしまい、その結果恨みを買ったりしたくない」ということが根本にあります。

しかし何棟も投資物件を購入したことがあり、保有の経験年数もある方で、しかもサラリーマンを退職し大家さん専業となっているような方に対しては、「自己責任でお好きな物件を購入されるのでしょう」という見方に変わります。

したがって、「サラリーマン大家さん(個人投資家)」と一括りに言っても、失敗して気の毒に思われる初心者の方と、経験豊富なベテランでは、不動産業者の見る目も違ってくるということになります。

今回の訴訟の件は、初心者ではなかったために、自己責任論をベースにしているということと、「書類の改ざん」へのご本人(オーナー様)自らの関与を強く主張されているところで、スマートデイズ(旧スマートライフ)の「かぼちゃの馬車」等シェアハウスを購入した主に初心者のサラリーマンの方の事例とは、しっかり線引きされている感じを受けます。

実際のところ、「書類の改ざん」について、オーナー様自らが関与していたのか否か、仮に関与していたとすればどの程度なのか、等、わかりませんが、「かぼちゃの馬車」等スマートデイズ(旧スマートライフ)のシェアハウスの件も、同様に、オーナー様自らの関与が有ったのか無かったのか、あったとしたらどの程度なのか。全く知らなかったのか、ある程度知っていたのか、などが気になるところです。

仮に「知らされていた」「知っていた」としても、完全な初心者であれば、その意味が100%理解できていなかったということもあり得るかと思われます。

しかし、完全に初心者というわけではないとすれば、その意味(「書類の改ざん」が行われるということ)について、おそらくおおよそは知識としては見聞きがあるでしょうから、「関与」していたのでは、という推測が立てられがちになりそうです。

プロとまでは言えないまでも、何棟も購入、保有経験があるということは、アマチュア(素人)ではないという見方も出てきます。

今回の訴訟の行方はどのようになるのでしょうか。

投資は自己責任。初心者であっても、経験者であっても、自己責任ということになりますが、初心者こそ、さらに強く、「自己責任」を自らに言い聞かせて取引をおこなわないと、買った後泣く苦悩に陥る可能性が高いと言うことにもなりそうです。

「他人任せ」でその他人がいい人であればラッキーですが、いい人ばかりではないのがこの世の中です。

他人に頼りたくなりますが、結局は自らで何事も決めていく「覚悟」が求められる時代ではないかという気がしております。

カズシン株式会社

代表取締役 山内和美